第3回スポーツセーフティーシンポジウムの開催

イベント・活動報告

日本初となる「スポーツの安全・選手の重大事故防止」をテーマにしたシンポジウムを一昨年より開催し、今回が3回目となりました。

前年度の「脳振盪」に続く今回のメインテーマは「エマージェンシーアクションプラン〜スポーツ現場における安全管理体制の構築~」で、2016年11月26日に開催しました。

エマージェンシーアクションプランは 「EAP」、もしくは「緊急時対応計画」とも呼ばれており、国際的にもスポーツ現場における安全管理体制構築の上では欠かせないものとなっています。

しかし日本のスポーツ現場ではその存在さえも知られていないことが多く、今後日本がオリンピックなどの大きな国際大会をホストするにあたり、整えるべき安全体制や、プロレベルのみならず部活動などの草の根スポーツにおける対応を考えることは日本スポーツ界にとっての急務と言えます。

「エマージェンシーアクションプラン」の作成、すなわちスポーツ現場における安全管理体制を整える上で、救急医療、法律、スポーツ医学、そして現在スポーツ界で起きている問題、世界のスタンダード、今後の日本スポーツ界における現場での対応や体制づくりについて、各分野の専門家を招いて、日本に合ったスポーツ安全管理基準を提言・提案していただきました。

佐保 豊氏 米国BOC公認アスレティックトレーナー(NPO法人スポーツセーフティージャパン代表理事)

【タイトル】

「エマージェンシーアクションプラン(EAP)」

【内容】

スポーツ現場における安全管理体制の三本柱となる『人・物・体制』その中で『人』と『物』をスムーズに動かす『体制』つくりに欠かせないEAPの実際の概要と作成方法を紹介します。

高澤 祐治氏 医師・准教授(順天堂大学整形外科・スポーツ診療科、順天堂大学医学部整形外科学講座)

【タイトル】

「スポーツ現場医療におけるグローバルスタンダード」

【内容】

2015年秋、英国にて開催されたラグビーワールドカップでは、競技会をサポートする医療スタッフにおける世界基準、すなわちグローバルスタンダードが世界中に発信された。

2019年ラグビーワールドカップ、2020年東京オリンピックという2つの巨大国際競技会の開催へ向け、今、スポーツ現場における医療従事者に求められている役割について概説します。

大橋 卓生氏 弁護士(虎ノ門協同弁護士事務所、(公財)学生野球協会理事、(一社)全日本テコンドー協会理事)

【タイトル】

「安全配慮義務 – 指導者はどこまで責任を負うか」

【内容】

安全配慮義務とは何かを概説し、指導者がどこまで責任を負うか具体的なスポーツ事故事例と裁判例を通じて、近年の傾向をお話します。

喜熨斗 智也氏 救急救命士・助教(国士舘大学体育学部こどもスポーツ教育学科)

【タイトル】

「救急救命士の視点から見るスポーツ現場の安全管理」

【内容】

スポーツ現場で発生する怪我や病気の多くは予測が可能であり、その予測を基に救急医療・安全管理体制を構築することにより、怪我や病気を予防すること、または重症化を防ぎ、死亡事故を減らすことが可能である。

今回は国士舘大学でマラソン大会を中心として年間約60のスポーツイベントの救護活動をしている経験からスポーツ現場の安全管理の取り組みについて紹介します。

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